小林の天神古墳|埴輪のレプリカもある小学校隣のニッチな古墳【桐生市新里町】
東国文化の栄えた群馬県には古墳がたくさんあることで有名なのはご存知の方もいらっしゃるかと思います。
その存在はなんと小学校の敷地内にまで!今回は旧新里村現在は桐生市の小林にある天神古墳とその周辺スポットをご紹介したいと思います。
新里中央小学校敷地内に佇む
桐生市郊外の閑静な場所にある天神古墳。その土地柄、小林の天神古墳とも呼ばれています。
新里中央小学校の裏手、ナスカの地上絵のような校舎裏駐車場のすぐ隣に、古墳が佇みます。さほど大きくなく、道路で古墳の北半分は失われてしまっているのだそう。
古墳自体はちょっとした丘陵地で、近くには何やら建物が存在・・・はっきりいって気になります。
別名天神山古墳と呼ばれ、かつて丘陵上に天神様が祀られていたことから、この名前がつけられたと言われています。
古墳の歴史や形の特徴
いつ頃作られたからは、明らかにされていませんが、桐生の天神古墳は円墳であることから、古墳時代前期に作られたと推測されます。
北側が道路によって削られてしまっているものの本来は直径42m、高さ3mの円墳、周りには幅4mの周溝が巡らされ、葺石はなし。埴輪円筒列が基壇面盛土を囲んでいました。
現在は土砂によってふさがれてしまっていますが、安山岩を使った自然石乱石積の横穴式袖無型石室は、昭和初期の開墾により発見。
全長6.4mの石室は入り口から2.8mの位置に直径38cmの框石が設けられ、羨道と玄室が区別されていました。遺体が埋葬されていた玄室は長さ3.6mで、羨道よりも一段下に作られています。
埋葬品は鉄刀2振、金冠2個、まる玉50個、鉄鏃、須恵器などの副葬品、墳丘上からは円筒・家型・鞆型埴輪が出土され、家型埴輪は東京国立博物館に収容されています。
古墳の隣に埴輪のレプリカが展示
古墳の案内板とともに小林天神古墳の隣、敷地内には小さな建物があります。
一体何が展示されているのかと覗いてみると、大きな家型埴輪のレプリカがありました。
ガラス張りなので、少々見えにくいですが、大きな埴輪!古墳時代にこの地が栄えたことを象徴しています。
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基本情報
問い合わせ先:0277−74−2217(桐生市地域振興整備局 新里支所地域振興整備課)
駐車場:なし
アクセス:
車 北関東自動車道伊勢崎ICより約25分
電車 上毛電気鉄道膳駅より徒歩約25分
公式HP:https://www.city.kiryu.lg.jp/kankou/bunkazai/1010700/shishitei/shiseki/1002022.html
周辺で見られるオススメの古墳や史跡
天神古墳周辺、新里地区の代表的な古墳や史跡をご紹介します。
中塚古墳
©https://www.city.kiryu.lg.jp/
群馬県指定史跡の中塚古墳は1辺37mの方墳で、高さは5メートル。安山岩製の切り石で作られた石室は見応え抜群。高崎市にある上野三碑の一つ山上碑によると、新川巨(にいかわのおみ)の墓で、7世紀に作られたと考えられています。
©https://www.city.kiryu.lg.jp/
武井廃寺塔跡
©https://www.city.kiryu.lg.jp/
国指定史跡の武井廃寺塔跡は古代の寺院があったとされる跡。八角形三段の石積墳丘が見つかり、奈良時代の火葬墳墓という説が有力。円錐台形の安山岩を加工し、直径123cm、17.5cmの高さ、105cmの直径を誇ります。
まとめ
桐生市新里町にある小林の天神古墳をご紹介しました。小学校の裏て駐車場のすぐ隣にまるで寄り添っているかのように佇む古墳です。
古墳の隣にある建物には発掘された埴輪のレプリカも展示、古代ロマンを存分に感じられるスポットの一つ。
近くの新里町で見られるオススメの古墳や史跡にも、ぜひ足を運んでみてくださいね。
※情報は掲載当時のものです