奈良古墳群|かつては「奈良の百塚」と呼ばれた古墳時代終末期の群集墳【沼田市奈良町】
群馬県沼田市奈良町の「奈良古墳群」。
薄根川北岸の河岸段丘の緩傾斜面上(標高約430メートル)に築造された古墳時代終末期の7世紀代に造られたとされています。
群馬県指定史跡に指定され、多くの古墳の石室の構造までじっくりと観察できる奈良古墳群をご紹介致します。
奈良古墳群の場所
奈良古墳群は、群馬県沼田市奈良町の薄根川北岸の河岸段丘の緩傾斜面上に築造された古墳群です。
かつては「奈良の百塚」と呼ばれるほど多数の古墳が分布していましたが、その後の開田事業によって多くの小規模古墳が破壊され、現在では13基の古墳のみが遺存しています。
約3万平方メートルに及ぶ広い敷地内に多くの古墳が点在しています。古墳群手前が駐車場になっています。
奈良古墳群の歴史・特徴
奈良古墳群に分布する古墳は、古墳時代終末期である7世紀の初頭から後期にかけて築造されたものと推定されています。
墳丘は開墾によって削り取られた部分が多 く、石室のほとんどは露出・開口しています。
残されている古墳はすべて小円墳で、横穴式石室の埋葬施設となっています。
13基の古墳の中でも石室が確認出来るのは1・2・3・7・9・10号基であり、石室の内部を近くで見学できるのは3・7・9・10号基です。
特に10号墳の石室は、全国的にも珍しい「ト」字形の玄室が確認でき、群馬県内では奈良古墳群と高崎市にあるお春名古墳(現在は埋没)でのみ確認され、現存するのは奈良古墳の10号基のみとなっています。
また、古墳群から出土した副葬品の中で馬具類が充実する点から古墳群を形成した集団は馬の生産に関わっていた可能性が高いと考えられています。
>>群馬県の古墳おすすめ25選|古墳王国を巡る古墳群と博物館で古代ロマンツアー
奈良古墳群13基
1号古墳
築造時期:7世紀後半
東西に12.5m
南北に14.0mの小円墳
石室が露出していて、玄室と玄門部のみが現存しています。石室が崩れる恐れがあるため入口には柵があり近くでの見学はできませんでした。