高崎市染料植物園|染め物のテーマパークでハンカチ染めから染料実験まで!
「高崎市染料植物園」は、染料植物に特化した全国的にも珍しい植物園。
白衣観音が見守る自然豊かな観音山の中腹にあり、美しく手入れされた敷地は、気持ちの良い散策路としてハイカーに親しまれています。
その玄関口にある「染色工芸館」では、平成6年4月に開園して以来こつこつと続けられてきた貴重な研究成果を見ることができるほか、季節ごとに企画される染色体験で実際に布を染めることもできます。
県外からたくさんの染色ファンたちが足を運ぶ、隠れた人気スポットです!
染色の歴史を追う「染料植物の道」
染色は衣服と深い関係を持っており、布をつくる「織り」は縄文時代に、「染め」は弥生時代にはじまったといわれています。
飛鳥時代になると「色」が身分を表す意味合いを持つようになり、染色の重要性が増していきました。
「染料植物の道」では、「飛鳥・奈良の道」「平安・鎌倉の道」「室町・江戸の道」「現代の道」と4つのエリアに分け、それぞれの時代に使われた染料植物を育てています。
ひとつひとつの植物に丁寧な説明と、染めたときの色見本が表示されています。
観音山の緑が気持ちよく、散策にも最適!
1周約700mの整備された道ですので、小さなお子さんやお年寄りも無理なく歩くことができますよ。
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染色工芸館|染め物初心者から上級者まで大満足!
「染色工芸館」では、染色家の先生を招いて定期的に染め物の講習会を開いています。
全4回~6回の本格的な技法講習会から、2時間で仕上がるワークショップ形式まで、内容はさまざま。
珍しいものでは、染料の実験ができる講座もあります。
それ以外にも月に3~4回、水曜日と日曜日を中心に、職員による染色体験日を設けています。
この日の染色体験では、「ヤブマオ」というイラクサ科の植物で草木染を行いました。
こちらが「ヤブマオ」。
茎と葉を細かく刻み、20分ほど煮出して染める液を作ります(2時間の講習では、職員が作っておいたものを使います)。
どんな色に染まるのでしょうか……?
まずは手順の説明から。
こちらはお手本を見ながら、輪ゴムを使った絞り染めの方法を紹介している様子です。
布のたたみ方で、ハート形もできちゃうんですよ!
染め上がりがムラにならないよう、絞った布をお湯に浸して……
それから、ぐつぐつ10分間、均等に染まるように常に棒でやさしくかきまぜながら煮ていきます。
この後「放冷」といって、鍋の中で冷めるまで放置して
色を染み込ませる工程があるのですが、体験では時間がないので割愛。
すぐに媒染に移ります。
「媒染」は、布に染料を定着させるための重要なステップ。
アルミ分や鉄分といった金属を含む「媒染液」に浸して行います。
使用する金属の成分によって色の出方が変化するので、同じ染料でも媒染によって違った色合いが楽しめるのです。
今回はミョウバンを使った「アルミ媒染」でした。
この後軽く水洗いをし、もう一度お鍋で、ぐつぐつ15分。
輪ゴムをほどいたら……
こんな模様に。想像通りだと嬉しいですが、思いがけない模様になっても楽しい!
よーく水洗いして、乾かして完成です。
同じように縛ってもひとつとして同じ模様がない、まさに1点モノ。
8月の染色体験は藍の生葉染め。
生葉を使用すると、藍色ではなく淡い空色に染まります。
火を使わず簡単なので、小さなお子さんにもおすすめですよ。
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施設情報
営業時間:9:00~16:30
※入園は閉園30分前まで
定休日:月曜日(祝日の場合は翌日、年末年始)
住所:群馬県高崎市寺尾町2302-11
電話:027-328-6808
駐車場:あり(無料)
アクセス:
車 関越自動車道 高崎ICより約30分
電車 JR高崎駅よりバスで約30分
高崎市周辺情報:https://www.jalan.net/travel/cit_102020000/
高崎市で宿を探す:https://travel.rakuten.co.jp/yado/gunma/takasaki.html
まとめ
高崎市染料植物園では染色体験や講習会のほかにも、里山探検やネイチャーゲームといった観音山の自然を利用したワークショップや、自然観察会も豊富に企画されています。
7~8月の夏休み期間中は、子どもワークショップもたくさん!
もちろん、おとな向けの技法講習会も行われます。
今年の夏は家族で染め物にチャレンジしてみませんか?
※情報は記事作成当時のものです