三津屋古墳|レアな美しいフォルムの八角墳!石室見学で古代ロマンを体感しよう
北群馬郡吉岡町住宅地の中にある三津屋古墳。めずらしい形で国内でも有数のレアな古墳として注目されています。
現在一般公開されている三屋古墳は復元されたものですが、石室の見学もできるということで足を運んでみました。
国内でもレアな八角形の古墳とは
古墳といえば円墳や前方後円墳などの形が定番でよく知られていると思いますが、なんと八角形の古墳があるのをご存じでしょうか?
八角形の古墳が作られたのは古墳時代の末期の7世紀中頃からといわれています。
八角は中国の政治思想が深いといわれ、天下八方で支配者にふさわしいと考えられていました。学者によっては即位した大王だけが祀られた特別な古墳であったのではという意見もあります。
八角墳の始まりは舒明天皇の墓といわれており、大王や有力豪族の中でも支配力を持ち、中央集権国家を作り出すきっかけとなったともいわれています。
八角墳への進化
日本でみられる古墳のうち、6世紀以降の天皇陵は前方後円墳や大型円墳から大型方墳、上八角下方墳、そして墳丘が平面の八角墳へと変化したといわれています。
吉岡町の八角墳三津屋古墳とは
吉岡町にある三津屋古墳をご紹介しましょう。
三津屋古墳の歴史
全国でも珍しい形の正八角の平面墳丘を持つ三津屋古墳、1993年の住宅開発調査で発見されました。
石室の様子から八角墳が誕生したのは7世紀後半といわれています。
古墳の形や大きさや出土品
三津屋古墳の墳丘は2段構成で周堀を持ちます。墳丘対角間は約23.8m、現在の高さは約4.3m。
八角形対角の長さは下段で23.8m、上段で6mとなり墳丘を作る際に1尺の単位が使用されていたと見られます。
出土品は盗掘され、残念ながら残っているものはありませんでした。
構造
2段構築の墳丘上段には扁平な川原石が正確に敷かれています。
また八角形の中心部が玄室奥壁中央となっており、石室の主軸が真北を向き8等分されています。
墳丘の盛り土が見事に積み上げられていました。
三津屋古墳石室見学もできる
三津屋古墳の石室は内部見学が可能です。入り口のドアを開けて中に潜入します。
見学時間以外は鍵が掛かっています。
盛り土の断面をそのまま見ることができました!
板状になった土を丁寧に積み上げたことがよくわかります。
石室内に残っているのは奥壁と側壁を構成していた根石と裏込め石。その他の石はすべて持ち去られていましたが、石のあった窪みから天然石主体の横穴式石室であったことがわかります。
三津屋古墳スポット情報
【施設詳細】
石室見学可能時間:8:30~17:00
定休日:なし
住所:群馬県北群馬郡吉岡町大字大久保字三津屋2037-1
電話:0279-54-3111(吉岡町役場)
駐車場:あり(約5台・無料)
アクセス:
車 関越自動車道駒寄スマートインターより約5分
電車 JR上越線群馬総社駅より徒歩約35分
関連HP(吉岡町役場):http://www.town.yoshioka.gunma.jp/kankou/culture/001438.html
鶴巻古墳を保存している鶴巻古墳史跡公園で古代ロマンを体感してみてはいかがでしょうか。
国内で見られる有名な八角墳
八角平面の墳丘を持つ代表的な古墳で東日本では東京都多摩市稲荷塚古墳、藤岡市の伊勢塚古墳があります。
また関西では奈良県桜井市の段の塚古墳、中尾山古墳、御廟野古墳、牽牛子塚古墳また大阪市桑原遺跡古墳群などがあり、ほかの形の古墳と比べるととても数が少ないことがわかります。
まとめ
国内有数支配者の特別な古墳ともいわれる八角平面墳丘を持つ三津屋古墳いかがでしたか?
現在は復元され古墳公園として見学もできますが、ご覧いただいてわかるようにとてもきれいな八角形をした美しい古墳です。
残念ながら出土品は見られませんが、特別な古墳であったことが佇まいから伝わってきます。
今古墳や埴輪がひそかにブームになっている中、珍しい価値ある三津屋古墳にぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか?!
休日になると地元の人や観光客で賑わう道の駅「よしおか温泉」に立ち寄ってみるのもおすすめですよ。
※情報は取材当時のものです