沼田市迦葉山弥勒寺|日本三大天狗の寺で大天狗面の迫力に圧倒される
群馬県沼田市の北部にある迦葉山弥勒寺(かしょうざんみろくじ)。天狗のお寺として知られており、日本三代天狗のひとつに数えられます。夏の沼田まつりにも登場する大きな天狗みこしでも有名な迦葉山弥勒寺をご紹介しましょう。
日本三代天狗のひとつ迦葉山弥勒寺
沼田市北部、武尊山系に連なる深山幽谷の浄域にある迦葉山。そこに天狗のお寺「迦葉山龍華院弥勒国禅寺(かしょうざん りゅうげいん みろくごこくぜんじ)」があります。通称・迦葉山として親しまれています。
迦葉山は日本一の天狗面があることでも知られており、京都の鞍馬寺、東京の高尾山薬王院とともに日本三大天狗として数えられています。
大天狗は善と悪を持ち合わせる妖怪であり、また一方では神と扱われることも。天狗の中でも強力な神通力を持つといわれます。
迦葉山の天狗みこしが見られる沼田祭りの記事はこちらから。
迦葉山弥勒寺の歴史と天狗面の由来
弥勒寺は848年(嘉祥元年)、比叡山三祖円仁慈覚(えんにんじかく)大師により鎮守護国寺として開創、その後天巽(てんそん)禅師により改宗開山されました。
迦葉山では参拝の習わしとして、以下のように天狗面を借りて帰るとされています。
- 初めての参拝で拝殿奥にある中峯堂から天狗面を借りて持ち帰る
- 次回参拝の際に借りた面を持参、門前の店で新しい面を求めて添え奉納
- また別の面を借りて帰る
なかなか興味深いですね。
弥勒寺を改宗開山した天巽禅師の弟子・中峯尊(ちゅうほうそん)という僧は、人力では登れないところまで修行者を導くなどの神通力を持つといわれていたそうです。その中峰尊が昇天した際に天狗の面を残したという伝説から、天狗面奉納の習わしが始まったとされています。
10年に一度の迦葉山大開帳も
弥勒寺では、10年に一度中峯堂奥殿の厨子が開かれる「大開帳」がおこなわれ、普段は目にすることのできない天狗様のご神体を拝することができます。
次回は2025年になります。
いざ迦葉山へ
迦葉山への総門をくぐり山道を登ると、右手に山門があり、狛犬が鎮座する場所には大天狗が2体安置されています。天狗のお寺ならではの風景ですね!
山門を通る参道を歩いてお寺へ行くこともできますが、境内近くの大駐車場まで車で行くこともできます。
駐車場から境内へ向かう途中、案内板の横に聖観音菩薩像があります。
聖観音菩薩像の横にある石階段を上ります。
階段を上りきったところに手水舎があるので、ここで身と心を清め参拝します。
天狗の霊峰迦葉山拝殿・中峯堂
こちらが拝殿。
そして、その奥の中峰堂に天狗の面が祀られています。
シンボル的存在の大きな天狗面
こちらの中峯堂には、1939年(昭和14年)に商工会有志により戦勝を祈願しつくられたという日本一の大天狗面や、1970年(昭和45年)に大天狗奉賛会により交通安全を祈願してつくられた交通安全身代わり大天狗面があります。大迫力で、ご利益高そうですね。
前述の迦葉山「参拝の習わし」どおり、初めての参拝時にはこちらから天狗面(お借り面)を借りて帰ります。自宅の神棚などに安置し、祈願します。
次回参拝の際に借りていたその面を持参し門前の店で新しい面を入手、お借り面とともに奉納します(お返し面)。そして別のお借り面を借りて帰ります。
境内を散策
迦葉山では中峯堂にばかりが注目されがちですが、ほかにも見どころがたくさんあります。
鐘楼と坐禅堂
拝殿の左隣には鐘楼がそびえたちます。
その奥には坐禅堂があり、ここは研修道場としても使われています。諸願成就大天狗はこちらにあります。
中雀門から迦葉堂・開山堂へ
さらに拝殿のすぐ右には、総受付となる龍願閣があり、ここで御朱印受付もしてもらえます。
その隣の中雀門。
門の下を潜ると迦葉堂、開山堂へアクセスできます。
橋を渡って、先の石段を上っていくと…
迦葉堂が現れます。ここには禅宗寺第二代摩訶迦葉大和尚が祀られているとのことです。
迦葉堂を少し下ると開山堂に着きます。ここには天台宗当山開山円仁慈覚大師、曹洞宗当山開山天巽慶順禅師をはじめとした歴代住職や檀家のご位牌などが安置されているとのことです。
本堂へ
中雀門のすぐ右にある本堂ですが、開山堂から坂道を下ってもアクセスできます。
聖観音菩薩が祀られています。中に入って参拝できますよ。
本堂周辺には仏像や石碑などがたくさん鎮座しています。
阿部鳩雨先生歌碑田
龍鳳観世音菩薩
このほかにも龍華閣や斎堂、和尚台など見どころ満載。ゆっくり参拝できます。
迦葉山の御朱印
迦葉山の龍願閣では御朱印を賜れます。
初穂料は300円。直書きのみで書き置きはないので、御朱印帳をお忘れなく!
躍動感ある御朱印は迫力満点、ありがたいご利益が賜れそうです。
周辺の見どころ
迦葉山登山道は玉原湖や白樺湿原、アスナロの林などがあり、大自然を感じながら散策できます。秋は紅葉スポットとしてもおすすめ!体力に自信のある方はぜひ巡ってみてくださいね。
近くの見どころ「馬隠れ杉」
迦葉山龍華院弥勒寺の大駐車場近く、旧参道沿いに馬隠れ杉と呼ばれる大きな杉の木があります。
市の天然記念物で、弥勒寺創建前後に植えられたとみられ幹の内部が一部空洞化しています。下馬札が参道の下のほうにあったことからここに馬を隠し、この名前が付けられたといわれています。
迦葉山の近くにある「玉原の宿 みのや」のカレーうどんは絶品ですよ!
迦葉山弥勒寺基本情報(営業時間・駐車場・アクセス)
拝観時間:
夏6:00~17:00
冬6:30~16:30
住所:群馬県沼田市上発地445
電話:0278-23-9500
駐車場:あり(無料・60台)
アクセス:
車 関越自動車道沼田ICより約25分
電車 JR沼田駅よりバスで約45分 徒歩で約45分
まとめ
日本三大天狗に数えられる迦葉山龍華院弥勒寺、いかがでしたか?
大自然に包まれた由緒あるお寺で、大天狗のお面など迫力満点、見どころ満載です。御朱印もあるので、御朱印帳をお忘れなく。
境内や周辺は散策しながら楽しめるので、ハイキングがてら、群馬が誇る天狗寺へぜひ足を運んでみて下さいね。
※情報は取材当時のものです