多々良沼|野生のハクチョウ観察を楽しめる湿原散策【館林市飯塚町】
毎年11月上旬から3月下旬頃までの期間、何千キロも離れたシベリアから海を越え、はるばる飛んできたハクチョウを見られるスポットがあります。
それが館林市と邑楽町にまたがる、周囲約6キロの多々良沼(たたらぬま)です。
この広い多々良沼のなかでも、ポイントとなる場所と時間帯を知っているだけで、たくさんのハクチョウに出会える確率がアップしますよ!
動物園とはまた違った、野生のハクチョウの美しい姿に魅了されること間違いなしです。
四季折々の自然が堪能できる多々良沼公園
多々良沼は、北の渡良瀬川と南の利根川に挟まれた低地部に位置しています。そして、この沼のほとりを含めた部分が群馬県立多々良沼公園。
園内は、雑木林やヤナギなどの保全が行われている「自然ふれあいエリア」、遊具が設置されている「いこいと花のエリア」、ハクチョウ観察や湿原散策が行える「野鳥と湿原のエリア」に分かれています。
ハクチョウだけでなく、四季折々の植物や野鳥、昆虫なども見て楽しむことができるため、年間を通して多くの来園者で賑わっています。季節を感じながらの散策は、とても気持ちがいいですね。
駐車場:あり・無料
アクセス:
車 東北自動車道 館林IC/佐野藤岡ICから約20分
電車 東武小泉成島駅から徒歩約20分
お問い合わせ:
多々良沼公園管理事務所 0276-56-9978
館林市役所地域環境課 0276-72-4111
館林土木事務所 0276-72-4355
邑楽町役場都市建設課 0276-47-5033 ※園内一部邑楽町の管轄
公式HP:https://tataranuma.com/
館林市周辺情報:https://www.jalan.net/travel/cit_102070000/
館林市で宿を探す:https://search.travel.rakuten.co.jp/ds/hotellist/Japan-Gunma-Tatebayashi
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ハクチョウの生態
遠く離れたシベリアから館林まで渡ってくるハクチョウたち。
こちらで見られるのは主にコハクチョウという種類で、体長は約1.2メートル、翼を広げた長さは約1.8メートルにもなり、迫力があります。
1978年12月に初めて飛来したのが2羽。以降、年々飛来数が増え、2020~2021年のシーズンには、最も多いときで160羽以上が確認されています。
例年11月初めにやって来て、翌年3月中旬から下旬に帰ってしまうので、期間限定で楽しめる冬の風物詩として知られています。
ハクチョウ観察おすすめの場所
広大な敷地面積を有する多々良沼公園ですが、その中でハクチョウに遭遇するためにはいくつかのポイントがあります!ここで、おすすめの場所や時間帯をご紹介します。
ボランティアによる給餌活動時間
多々良沼周辺では「多々良沼白鳥を守る会」というボランティア団体が活動しており、毎年ハクチョウのシーズンになると、平日は8時と15時前後、土・日・祝日は9時と15時前後に給餌を行っています。
給餌の場所は、浮島弁財天付近の通称「天沼」と、多々良沼の西にある通称「ガバ沼」です。
つまり、給餌の時間にこの場所へ行けば、ハクチョウに出会える確率がぐんとアップするということ!
また、団体では見学者への案内や、野鳥保護思想の普及といった活動も行われています。ハクチョウや自然環境について、この機会にぜひ詳しく聞いてみましょう。
浮島弁財天
給餌の時間以外はハクチョウが見られないのかというと、そんなことはありません。日中は、前述の浮島弁財天周辺で休んでいるハクチョウも多いようです。
浮島弁財天は、沼に向かって突き出ている小島に建てられている神社。鎌倉幕府滅亡後からの長い歴史を持つ社、そしてそこへつながる浮島橋から眺めるハクチョウの姿は、とても趣がありますね。
ガバ沼
長年、多々良沼のハクチョウに携わっている方々に、お話を伺ってみました。
みなさん口を揃えておっしゃるのが、「ガバ沼がいちばんのおすすめスポット」ということ。
ガバ沼もボランティアによる給餌場所となっていますが、実は時間を気にせずにハクチョウを見ることができる、最もおすすめのポイント!
以前、2月某日の11時頃と16時頃に訪れた際は、いずれも70羽ほどのハクチョウを見ることができました。
ガバ沼ではカメラを構えている方も多く、「まずはガバ沼へ向かうべし!」ですね。
白鳥に魅せられて…時間を忘れてしまうひととき
コハクチョウは成鳥が純白、幼鳥が灰色で、いつも家族一緒に行動しているのだそうです。
なんだか微笑ましいですね。
優雅に泳いでいる姿もいいですが、羽ばたく瞬間を見るのも醍醐味のひとつではないでしょうか。
ハクチョウが羽をばたつかせると、周囲のカメラマンもざわつきます。
そしてハクチョウが飛び立つと、一斉にシャッター音が響き渡ります。
飛び交うハクチョウの中には、オオハクチョウやアメリカコハクチョウといった種類もいるようです。
実際に間近で見ると、白鳥が飛ぶ姿は優雅さと迫力を兼ね備えていて、圧倒されました。
そして夕暮れ時の景色はより一層美しく、思わず時間を忘れてうっとりと見入ってしまうほどでした。
多々良沼のハクチョウを守るために、ひとりひとりができること
白鳥は警戒心が強く、一度危険な目に遭った場所へは近寄らなくなってしまうそうです。
フラッシュ撮影や不用意な発声、ペット同伴での見学など、ハクチョウを驚かす行為をしないよう、マナーを守って見守ることが大切です。
また、ハクチョウが越冬しやすい自然環境を維持していくことも必要です。
わたしたちひとりひとりの心がけが、多々良沼のハクチョウを守ることに繋がっていきます。
毎年期間限定で楽しめるこの貴重な景色を、後世にも残していきたいですね。
まとめ
©https://gunma-dc.net/
多々良沼の冬の風物詩、ハクチョウ。
その美しく勇壮な姿を目にすれば、日々の喧騒を忘れられること間違いなしです。
ハクチョウ観察におでかけの際は、防寒対策をしっかり行い、マナーを守ってお楽しみください。
ハクチョウがシベリアへ帰る前に、ぜひ1度訪れてみてはいかがでしょうか。
※情報は掲載当時のものです