地域に愛される山田文庫は歴史的にも価値ある私設図書館だった
高崎市常盤町(ときわちょう)は、古き良き日本の建物が立ち並び、水路が今も残る風情溢れる美しい町です。
ここに個人が設立しためずらしい私設図書館があります。
今回は、アットホームで地域の人々が愛してやまない高崎市の公益財団法人山田文庫をご紹介しましょう。
歴史的価値の高い山田文庫とは
歴史的な建造物を高崎市民に引き継いでほしいという思いから、群馬県高崎市では歴史的景観建造物登録制度を設け、保全のための支援を行っています。
地区50年以上の建物で所有者が活用・保全する意思があり、老朽化がひどくないものそして景観が良いもの等が登録の対象となっていています。
じつは、今回ご紹介する山田文庫の主屋、茶室、土蔵2棟、そして煉瓦塀の建物が2000年に高崎市都市景観重要建築物等に指定されているんですよ。
赤レンガの壁に囲まれた敷地内の日本家屋を改造し作られた和風図書館は見るからに歴史が感じられます。
庭園には40種類100本、月桂樹や黒松、檜などが植えられ灯篭6基と調和しています。
山田文庫の歴史とは
1974年、高崎倉庫の取締役だった山田勝次郎さんと妻の山田とくさんが群馬県内の小中高校生に読書に親しみをもって欲しいという思いから私財を投じて山田文庫を設立しました。
創立者の山田勝次郎・とく夫妻は子供の頃からとても読書好きだったそうですよ。
そんな山田夫妻の思いを受け継ぎ、現在山田文庫では財団のスタッフやボランティアの方が子供達の情操教育につながればと本の管理や茶室での絵本読み聞かせなども行っています。
山田文庫自体が図書館となり図書の貸し出しを行う他、県内の小中高等学校の学校図書や視聴覚資料の助成を行っています。
山田文庫に私財を投じた勝次郎さんと妻とくさんの略歴は下記山田文庫HPよりご覧になれますよ。
山田文庫公式HP:http://www.yamadabunko.or.jp/
歴史を感じる山田文庫へ潜入
こちらが山田文庫。
煉瓦の塀がある風情溢れる日本家屋で、建物の前には駐車場があり、月桂樹や黒松、檜などがみられます。
主屋左側には茶室があり、今ではあまり見られないような作りの建物が珍しい。都市景観重要建築物に登録されているだけのことはありますね。
主屋から土蔵が図書館になっているとのことで靴を脱いでスリッパに履き替えます。
中にはスタッフの方が常駐、アットホームな雰囲気で迎え入れてくれますよ。
室内には文庫をはじめ写真集や小説、図鑑などさまざまなジャンルの本が並びます。
驚きなのは建物の奥にある土蔵。
主屋よりもはるかに多くの本が並び、中には歴史を感じる図書も!
本好きにはたまらない空間です。
主屋にはカウンターのようなテーブルがあり、ここで本を読むこともできます。
スタッフの方がコーヒーを出してくださり、本を借りに来た他の方とも会話が広がります。
和書をはじめ洋書など驚くほどの図書が並ぶ山田文庫は、本が好きな人にうれしいアットホームな雰囲気漂う図書館です。
施設情報
開館日:水、木、金、土、日曜日
住所:群馬県高崎市常盤町25
電話番号:027-322-2531
公式HP:http://www.yamadabunko.or.jp/
まとめ
高崎倉庫社長であった山田勝次郎、妻とくさんが私財を投じて設立した山田文庫。
豊かな図書が心の成長につながればという熱い思いが込められ、現在も受け継がれています。
デジタルな時代、スマホやパソコンなどで知識や情報を得ることが多い現代ですが、景観と歴史あふれる山田文庫でのんびりと読書を楽しんでみてはいかがですか?
※情報は取材当時のものです