仙人窟|聖観世音と十八羅漢石像が安置された神秘的な吾妻町指定名勝
群馬県吾妻郡東吾妻町の山中にある「仙人窟」 。中之条町にも同名の洞窟がありますが、こちらは東吾妻町の大戸関所跡より徒歩10分、県道58号線から200mほど登ったところにある静かな洞窟です。
洞窟内に聖観世音像や十八羅漢像が並ぶことで知られるネットでもひそかに人気の信仰スポットです。
いったいどんな光景が広がるのか、そしてそこには一体何があるのが、気になってしょうがないので足を運んでみました。
東吾妻町にある仙人窟って?
吾妻郡東吾妻町にある「仙人窟」は先住民族の穴居の跡となっていたといわれ、中世以降は信仰の場とされていたということです。
入口の高さは8mで幅は14m、奥行きが26mほどもある洞窟です。こちらの洞窟は平成元年12月に吾妻町指定名勝となっています。
中之条町にも、仙人滝とともに知られる仙人窟という同名の洞窟がありますが、そちらとは別のものになります。
かつては吾妻三十三番観音札所だった
中世近世は吾妻三十三番観音札所にも数えられていたとのことですが、現在お寺はなく静かな信仰の場、畏敬の場として残されています。
日本武尊(ヤマトタケルノミコト)が東国征討の帰りに宿泊したという伝説も残されており、南面に向かい聖観世音および十八羅漢の石像があります。
十八羅漢の石像は珍しいもので、延宝6年(1678年)この地で修業した僧侶によってつくられたとみられています。
仙人窟への入口
県道58号線沿いに仙人窟への入口を示す看板があります。
狭いですが、道沿いに車1台ほどなら駐車できるスペースがあったので、そこに駐車して歩いて向かいます。どうやらこの階段を上っていくようです。
入口手前には仙人窟の由来や周辺の歴史などが説明された看板があり、その前には、木の杖らしきものがいくつか立てかけられています。
気になったものの、このとき杖を持たなかったことを、少し後悔したのでした(笑)。
ところどころに供養塔と書かれた石碑があります。
急な階段を上っていきます。
この時点で杖を持ってくればよかったとかなり後悔。足元が悪いので気をつけて登ります。
人けがなく秘境感が醸し出されます。途中には石碑などがあり、不思議な世界に迷い込んでしまったかのような気分になります。大運寺の名が刻まれたものも。
また石段が。この先に仙人窟があります。
神秘的な光景が広がる仙人窟に到着!
長い階段を上りきると仙人窟に到着しました。
中央に聖観世音像、そしてその周りの岸壁に十八羅漢の石像が鎮座しています。
不思議な雰囲気が醸し出される仙人窟。なんともいえない神秘的な光景です。
胎内窟
仙人窟を下ると階段が見え、その先にまた洞窟があります。
このような狭い洞窟を通り抜ける場所を胎内くぐり(胎内窟)と呼ぶそうです。こちらの胎内窟は崖の岩がくりぬかれたトンネルになっています。
胎内くぐりを通り抜けるとまた崖になっています。
そのまま崖沿いに歩くと、そこにテラスのような場所があり「奥の院」と書かれた祠があります。
こちらにも3体の石像が鎮座しています。自然と信仰が共存する、神秘的なスポットです。
仙人窟スポット情報(営業時間・駐車場・アクセス)
定休日: なし
住所: 群馬県吾妻郡東吾妻町東吾妻郡大戸418
電話:0279-70-2110(東吾妻町観光協会)
駐車場:なし
※県道わきに駐車できるスペースが1~2台分あり
アクセス:
車 関越自動車道渋川伊香保ICより約1時間
電車 JR吾妻線郷原駅よりタクシーで約7分
東吾妻町の観光なら自転車型トロッコでめぐるコースもおすすめです!
まとめ
先住民の穴居跡といわれ、江戸時代に修行僧が作ったといわれる聖観世音像と十八羅漢の石像が安置される仙人窟いかがでしたか?
県道から200mほどの場所にある鬱蒼とした山の階段を上りきると、その神秘的な光景に会うことができます。
胎内くぐりと称する石門もあり、その先の断崖絶壁の洞窟内にも石像があります。
県道からすぐでありながら、静かで人けのない山の中なので穴場スポットとなっています。蛇などの動物や虫にはくれぐれも気を付けて散策してみてくださいね!
※情報は取材当時のものです
道を挟んで少し離れた場所に広い駐車場ができました。
トイレ、水道はありません。