法蔵山 大蓮院 正覚寺|真田氏ゆかりの地。真田信之の正室小松姫が眠るお寺【沼田市鍛冶町】
沼田市鍛冶町にある「法蔵山 大蓮院 正覚寺(しょうがくじ)」。
真田氏ゆかりの地に鎮座するお寺で、真田信之の正室である小松姫のお墓や沼田出身の実業家・政治家である久米民之助のお墓があることで知られています。
春には観音まつりが開催され、稚児行列もあり、歴史と伝統を守り続けている正覚寺をご紹介致します。
正覚寺(しょうがくじ)の由緒創建
応永13年(1406年)に上野沼田氏が群馬郡小窪へ侵攻した際にそこから阿弥陀仏を持ち去り、元の家臣であった法蔵坊・正覚坊が阿弥陀仏を本尊として、群馬郡根岸に草庵を築いたのが始まりと伝えられている。
さらに天正2年(1574年)に中興され、慶長17年(1612年)に小松姫によって寺領が与えられ、現在の地に移設された。
また、慶応2年(1866年)の火災により寺は焼失してしまうが、明治6年(1873年)に再建されると、明治13年(1880年)に太田市にある浄土宗の寺院、大光院の開山である呑竜(どんりゅう)上人を勧請したそうです。
正覚寺(しょうがくじ)の山門
正覚寺の山門は万延元年(1860年)に建造されたもの。
建物全体が欅の素木造で四面に鉄拐(てっかい)仙人、鶴仙人と亀仙人他二十四孝の一つなどと、鶴や唐獅子の見事な彫刻が施されています。
建造した大工は不明ですが、彫刻は新田郡の彫刻師「豊琳斎(ほうりんさい)」によって彫られたと伝えられています。
沼田市内に残る数少ない建築年代が推定できる山門であり、その建築技法や彫刻に江戸時代後期の特徴をとどめている重要な建造物であることから沼田市指定重要文化財の一つです。
山門の先にある観音堂
正覚寺(しょうがくじ)のコウヤマキ
境内中央にそびえ立つコウヤマキ。
コウヤマキは日本固有種の針葉樹。寺院によく植栽され、仏花として用いられているそうです。
正確な樹齢は不明ですがこの地方では稀な巨木であり、大きな損傷もなく樹勢良好であることから沼田市指定天然記念物となっています。
久米民之助翁の墓
沼田市の名誉市民、久米民之助(くめたみのすけ)が眠る墓。
沼田市の名誉市民である久米民之助は文久元年(1861年)に沼田藩士である久米権十郎正章の長男として生まれ、土木技術者、実業家、衆議院議員を務めた政治家として活躍しました。
また、沼田城跡の荒れた姿を憂い大正5年から敷地を購入し、公園にすべく先頭に立って指揮をします。
西半分の整備を終えると十五年町に寄贈し、東側の整備の途中に亡くなってしまった為、公園の完成を見届けることは出来ませんでしたが、沼田城跡を整備し、市民の憩いの場とするために尽力した偉大な方です。