薄根の大クワ|日本最大の養蚕の御神木は圧巻。駐車場やアクセス情報も
群馬県沼田市薄根地区に養蚕のシンボル「薄根の大クワ」という木があるのをご存じでしょうか?
長きにわたり群馬の養蚕業を支えてきた「薄根の大クワ」。一体どんな木なのかご紹介しましょう。
薄根の大クワとその歴史
「薄根の大クワ」が一体どこにありどんな歴史を持つのかをご紹介しましょう。
どこにあるの?どんな木なの?
「薄根の大クワ」は群馬県沼田市北側、中央に薄根川が流れる丘陵に囲まれた里山の集落にあります。
昔この周辺一帯は養蚕がとても盛んで桑畑が広がっていました。
蚕の卵を保管する冷蔵施設「利根風穴」もありました。
日本一の大きさを誇る大クワ。
根元の周囲は約5.7m、高さ約13m、枝張り東西に18m、南北に17mにも及びます。
オオクワの由来、歴史
今からさかのぼること江戸時代。前橋藩の家老・高須隼人が石墨村の再検地を行う際にこの大クワを測量の基準、標木にしたといわれています。
幹がとても太く美しいその姿から「養蚕の神」とたたえられている木なのです。
富岡製糸場などとともにぐんま絹遺産にも登録
すごいんだぞ!大クワ
新潟県佐渡市の羽吉の大クワ、北海道小樽市にある恵比寿神社のクワとともにクワの三名木といわれる薄根の大クワ。
羽吉は樹齢1,300年ともいわれていますが、薄根の大クワはさらに幹が太いことからその樹齢は1,500年ともいわれています。
国の天然記念物、世界遺産富岡製糸場と並びぐんま絹遺産にも登録
養蚕が古くから盛んだったといわれる群馬県の象徴的存在、そして人々が大切に守りたたえてきた木でもあるため、1956年5月15日に国指定の天然記念物に指定されました。
富岡製糸場が世界遺産に指定されましたが、この大クワも絹産業遺産群の一候補として上がっていました。
現在は絹産業の主要な遺産として「ぐんま絹遺産」に登録されています。
富岡製糸場についてはこちらの記事をチェック!
ぐんまの絹遺産を楽しくめぐれるアプリもあります。
現在の薄根の大クワがこちら
畑に囲まれたのどかな田園風景の中に薄根の大クワがあるとのことで足を運んでみました。
現在治療のために足場や青い網が張られていますが、薄根の大クワがこちら。
樹齢1,500年を超えるため、害虫被害が深刻となり、樹木医が治療を行っているのだそう。
害虫がつかないように青い網をかけています。
柵で囲まれた敷地の中にオオクワがそびえたちます。
1,500年たった今でもこのような堂々とした太い枝。
石碑には国指定天然記念物の文字。そして、大クワの説明文が書かれた看板があります。
国指定天然記念物 薄根の大クワ詳細情報
指定年月日:1956年5月15日
所有者:個人
見学:自由
住所:群馬県沼田市石墨町地区内(町田町2083)
管理者:沼田市(沼田市観光協会 0278-25-8555)
アクセスおよび見学上の注意点
アクセス
カーナビで石墨大神宮を目指すとわかりやすく便利。
電車:JR上越線沼田駅より関越交通佐山行きバスで約35分。石墨一本松停留所下車、徒歩2分。
駐車場及び見学上の注意事項
駐車場はありませんが、車は隣接の石墨大神宮の空きスペースに駐車できます。
大型車両は入れません。
また周辺は保護のため柵で囲われ、木道が整備されているので、木道を歩き、柵の外から見学しましょう。
まとめ
絹の生産が古くから盛んだった証ともいえる推定樹齢1,500年の薄根のオオクワいかがでしたか?
全国にあるクワの三名木の中でも最も古いといわれる薄根の大クワは群馬で養蚕が栄えた証、誇りとなる銘木です。
現在は害虫駆除で治療中ですが、早く治療を終えてまた元気な姿が見られることを願います。
※情報は取材当時のものです