暮坂峠で牧水まつり開催。若山牧水に想いをはせる風情溢れる一日
群馬県吾妻郡中之条町の暮坂峠に戦前の歌人若山牧水の詩碑があります。
そしてここで牧水まつりが毎年行われます。
歴史的歌人が訪れた暮坂峠と牧水まつりをご紹介します。
若山牧水とは
1885年宮崎県で医師の長男として生まれる。戦前の歌人で宮崎県の郷土先覚者ともいわれています。
本名は若山繁。中学時代に短歌と俳句をはじめ18歳の時に若山牧水と改名。早稲田大学文学科に入学し、北原射水(のちの白秋)、中林蘇水と親交があり、早稲田の三水と呼ばれていました。
旅を愛し、生涯を通じて旅先で歌を詠み日本各地に詩碑が作られています。
自然主義文学として短歌を推進させた偉人の1人です。
牧水まつりの会場となる暮坂峠と牧水詩碑
©https://ja.wikipedia.org/wiki/
暮坂峠とは
そんな若山牧水にちなんだスポットの暮坂峠。暮坂峠はかつて中之条町と六合村の町村境だった場所、標高1,088メートルにあります。
暮坂峠の東側には中之条町市街地や沢渡温泉、そして西側には六合、草津温泉、近くには暮坂牧水茶屋があります。
牧水詩碑と銅像が並ぶ
©https://nakanojo-kanko.jp/sawatari/spots/
暮坂峠には若山牧水にちなんだ詩碑と銅像があります。牧水が草津から沢渡へ向かう途中、暮坂峠を越えた際に「枯野の旅」という歌を残しました。
枯草の旅
乾きたる
落葉のなかに栗の實(み)を
濕りたる
朽葉(くちば)がしたに
橡(とち)の實を
とりどりに
拾ふともなく拾ひもちて
今日の山路を越えて來ぬ長かりしけふの山路
樂しかりしけふの山路
殘りたる紅葉は照りて
餌(え)に餓うる鷹もぞ啼きし上野(かみつけ)の草津の湯より
澤渡(さわたり)の湯に越ゆる路
名も寂し暮坂峠
この歌の詩碑とともに牧水の銅像が立ち並んでいます。
歌人若山牧水にちなんだ牧水まつりが開催
©https://nakanojo-kanko.jp/sawatari/events/
1922年10月20日、若山牧水が草津から沢渡へ暮坂峠を超えた際に「枯野の旅」を詠んだことにちなんで行われるようになった「牧水まつり」。
牧水詩碑保存会が中心となって毎年10月20日に行われます。
この時期になると針葉樹などの紅葉が美しく色づく暮坂峠。
お祭り当日は詩吟や歌の披露も行われ、地元の方の手作りのなめこ汁が振るまわれたり、地元の物産品や農産物の直売もあり多くの人で賑わいます。
開催場所:暮坂峠
住所:群馬県吾妻郡中之条町大字入山国有林内
アクセス:車 関越自動車道渋川伊香保ICより約1時間15分
まとめ
日本を代表する歌人若山牧水にちなんで行われる牧水まつりいかがでしたか?
若山牧水が暮坂峠で詠んだ「枯野の旅」の詩碑の前で行われるお祭り。
美しい景観の中、牧水に想いを寄せてみてはいかがでしょうか?
近くには沢渡温泉や草津温泉などの観光スポットも豊富。中之条観光とともにぜひ祭りの風情を楽しんでみて下さいね!
※情報は取材当時のものです