桐生織物記念館|ショップ&展示で桐生織の歴史と魅力にふれてみよう
桐生は日本の機(はた)どころ―群馬のご当地かるた「上毛かるた」でも、そう詠まれているように、桐生は織物の産地として古くから栄えてきました。その歴史と伝統は今から1,300年もの昔までさかのぼるといわれています。
そんな桐生織について学ぶことができショッピングも楽しめる施設をご存じでしょうか?
桐生織物の魅力に思う存分触れられる「桐生織物記念館」をご紹介しましょう。
「西の西陣、東の桐生」織物で栄えた桐生市
桐生市は関東平野の北、群馬県の東端に位置し西は前橋市、東は栃木県足利市と接しています。桐生川と渡良瀬川が流れる、自然にあふれたまちで、観光スポットとしても人気です。
そんな桐生市周辺の特産品が桐生織。その起源は、今からおよそ1,300前とされています。
群馬の伝統工芸桐生織の歴史
群馬の伝統工芸品「桐生織」は奈良時代714年に宮廷に献上されたとの記録が続日本紀に残されており、また905年には租税制度で上野の国の税金を絁(あしぎぬ=絹布)と定められていることから、かなり古くからこの地に織物が存在していたことが分かります。
鎌倉時代には、新田義貞が倒幕のため兵を挙げた際に、桐生織を使った旗が作られたと伝えられており、さらに安土桃山時代の関ヶ原の戦いでも徳川家康が桐生織の白絹の旗を掲げたとされています。
江戸時代以降はその技術が全国的に知れ渡り「西の西陣、東の桐生」といわれるほどまでに織物のまちとして発展を遂げました。
機神伝説(白瀧姫伝説)
昔、桐生産地で作られた織物は仁田山絹と呼ばれていたそうです。それにまつわる伝説が残っています。
上野国山田郡仁田山郷(現在の桐生市川内町)の出身で宮仕えに出されていたある男が、官女の白瀧姫に思いを寄せていました。その思いを託した和歌が白瀧姫の心を動かし、彼は姫を故郷へ連れ帰ったといわれています。ここで姫は里人に養蚕や機織技術を伝授したといわれています。
=白瀧姫に送ったといわれる和歌がこちら=
雲の上 目には見ゆれど 白瀧の 八重に思いと落ちぬ君かな
雲たにも 懸らぬ峰の白瀧を さのみな恋ひぞ 山田男子よ
雲井から ついに落ちたる 白瀧を さのみな恋ひぞ 山田男子よ
国内外で認められる桐生織の魅力
桐生織物の魅力は絹(シルク)や天然素材、さらには化学繊維などそれぞれの素材を生かした演出力にあります。ジャガード織りやドビー織り、先染めや後染め、プリント物など幅広い分野で国内外を問わず愛用されています。
また着物や帯などの和服をはじめ多様化するファッションシーンでも活用され、また、のれんや小物、日用品といった商品にも活用されています。
織物のまち「桐生」ならではのデザインが楽しめるマンホールカードの記事はこちら!
桐生織物の魅力を発信する「桐生織物記念館」
桐生市の街中にある「桐生織物記念館」。桐生織物業界の作戦本部として昭和9年に建てられた桐生織物同業組合の旧事務所跡です。
重厚で風情ある建物も見どころのひとつで、国の有形文化財に登録されているんですよ!当時流行していたスクラッチタイルを用いた魅力ある洋風建築で、映画のロケ地として利用されたこともあるのだとか。
日本を代表する織物のひとつ桐生織や資料の展示などを行っています。また桐生織で作られた洋服や小物なども購入できます。
1階は展示販売場
桐生織物記念館の1階には、素晴らしい織物を生み出す機械が。江戸時代から取り入れられたジャガード織機などが展示されています。
またエントランス近くには、桐生織で作られた洋服や小物を販売するショップも。
ネクタイやバッグ、ストールなどもあり、自分のためにはもちろん、お土産にもピッタリです。洗練されたデザインの商品がたくさん並びます。
2階では織物資料展示室や企画展などのイベントも
残念なことに2階の織物資料展示室は写真撮影不可でした。スタッフの方が織物を生み出す機械や織物の種類などについて詳しく説明してくれます。
新田義貞が鎌倉幕府討伐の際に掲げたといわれる軍旗も再現・展示されています。
桐生織物の歴史や製法、機械に織物の種類など、ここに来れば桐生織物のすべてがわかる展示室で、ビデオ鑑賞や手織り体験もできます。
また織物資料展示室隣りの特別展示室では企画展などのイベントが開催されることもあります。企画展の予定は記念館のHPに掲載されているのでチェックしてみてくださいね。
桐生織物記念館施設情報(営業時間・アクセス・駐車場)
駐車場はありますが、バスなど使わなくても桐生駅から徒歩圏なので、観光がてら公共交通機関での来訪がおすすめです!
入館料:無料
定休日:毎月最終週の土曜日・日曜日
8月13日~16日 12月29日~1月3日
住所:群馬県桐生市永楽町6-6
電話:0277-43-7272
アクセス:
車 北関東自動車道太田桐生ICより約25分
電車 JR両毛線桐生駅より徒歩約6分
駐車場:あり(無料・15台)
観光や文化財巡りの際には、桐生の象徴的建造物・レンガ造りの蔵「有鄰館」もおすすめです
まとめ
群馬を代表する伝統工芸、桐生織。その歴史や製法、また、さまざまな織物製品を購入できる「桐生織物記念館」いかがでしたか?
桐生織物の発展に貢献した桐生織物同業組合事務所の跡地が記念館として無料公開されています。
1,300年以上も前、続日本紀にも登場していた歴史ある桐生織。あの新田義貞が戦の際に掲げたことでも有名で、館内にはレプリカが展示されています。
群馬を誇る桐生織の美しさと伝統に触れられる「桐生織物記念館」にぜひ一度足を運んでみてくださいね!
※情報は取材当時のものです