高崎市 仁叟寺は五輪桜と大カヤで知られる曹洞宗の名刹|新上州観音霊場の御朱印も
榛名神社や少林山達磨寺など、数多くの神社や寺院が鎮座する高崎市。今回訪ねたのは、吉井町にたたずむ仁叟寺(じんそうじ)です。境内に多くの堂を有する、創建500年の由緒正しい仁叟寺を紹介します。
仁叟寺の創建由緒
仁叟寺の正式名称は、天祐山公田院(てんゆうざんくでんいん)仁叟寺。日本では道元を開祖とする曹洞宗の寺院です。このお寺自体が高崎市文化財に指定されています。その寺歴を簡単に見てみます。
曹洞宗雙林(そうりん)寺(渋川市)四世の高僧裔正禅師を請して開山。もとは奥平貞訓が下奥平字公田(くでん)に創建し大永2年(1522)に現在の神保に寺を移し開祖。開山以来、長根城主、宮崎城主奥平、吉井城主菅沼、地頭溝口氏、長谷川氏などの帰依と手厚い保護を受け、三代将軍家光の代に朱印25石を賜る。明治24年(1891)、政府内務省より県内宗派の中から世良田長楽寺と仁叟寺が古社寺保存の指定を受けている。
※高崎市HPより引用
仁叟寺からほど近い場所に、彼岸花の群生地として知られる古墳があります。
仁叟寺 境内の様子
山々に囲まれた広大な境内をぐるっと回ってみました。
今回の訪問時期は春。葉桜も見られましたが、満開に近い桜が美しく咲き誇っていました。
3月中旬から下旬にかけては、有名なコヒガンザクラ、五輪桜が見頃を迎えます。地面から5本の幹が立ち上がっていることからこの「五輪桜」という名前がついたそうです。
瓦屋根が見事な惣門(そうもん)をくぐって奥へ進むと、左側には、十一面観音を本地仏として持つ白山妙理権現様が鎮座します。さらにその先に目をやると、山門が見えてきました。
こちらは山門の前から惣門に向かって撮った写真なのですが、天燈鬼立像もこのご時世、しっかりとマスクをしていました。
鐘楼堂です。
立派な本堂が姿を現しました。その日本堂では法要が執り行われ、お経が詠まれていました。創建から現在まで、長い歴史の中で一度も兵火に遭うことなく、改修等を経て当時の姿が忠実に残されているそうです。
この本堂には千手観音菩薩が安置されています。
本堂の目の前にどっしりとそびえ立つのが、群馬県天然記念物でもある、樹齢約500年の榧(カヤ)の木です。仁叟寺の開山である高僧裔正禅師が自ら植えたという言い伝えがあり、長い間御神木として崇められてきました。外周4.8メートル、根周り外周10.0メートル、樹高約21.0メートルの巨木は壮観です。
さらに、本堂裏手の駐車場エリアには、樹齢350年といわれるモクの木があり、こちらは高崎市天然記念物に指定されています。この「モク」という名前、聞き慣れない方もいるかもしれませんが、この吉井地方では、ニレ科のムク(椋)を方言で「モク」と呼ぶそうです。
1万坪という広い寺域を持つ仁叟寺には、17もの諸堂塔があります。本堂や坐禅堂の他にも、延寿堂、薬師堂、文殊堂などのお堂が整備されています。
「日本一高い十三重石塔」と言われる石塔のまわりには、美しい庭園が広がります。
仁叟寺の永代供養や墓地分譲
仁叟寺は永代供養ができる寺院としても知られており、多くの檀家さんの墓所が設置されています。墓地の分譲も行っていて、お彼岸やお盆になると、ご先祖様を敬いに多くの人が訪れます。
さらに2020年3月には、人々のライフスタイルや考え方の変化に対応できるよう、永代供養墓「大樹苑」を新設しました。最近注目を浴びている樹木葬墓も同じ敷地内で販売しているそうです。
仁叟寺 施設情報
入場料金:無料
定休日:なし
住所:群馬県高崎市吉井町神保1295
電話:027−387−3080
駐車場:あり(無料・台数不明)
アクセス:
車 上信越自動車道吉井ICより約2分
電車 上信電鉄吉井駅より徒歩約10分
公式HP:http://jinsouji.net/index.html
※詳細は施設に直接お問い合わせください
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まとめ
曹洞宗の古刹、天祐山公田院 仁叟寺、いかがでしたか?春は彼岸桜、秋は紅葉の美しさも味わえる風光明媚なスポットで、参拝のついでに散策もできます。
また仁叟寺では、新上州観音霊場第十八番などの御朱印も賜われます。書き置きが多いそうですが、運が良ければ直筆を賜われるかもしれません。
お寺をもっと身近に感じてもらえるよう、ヨガや座禅などの各種体験教室も開催しているそうです。ぜひあなたも仁叟寺へ足を運んでみてくださいね。
※情報は取材当時のものです